アルツハイマー病、原因は真菌感染?患者の脳に痕跡
AFPBB 2015/10/16
【10月16日 AFP】認知症の中でも最も症例が多いアルツハイマー病の患者の脳に、真菌の痕跡を発見したとする研究結果が15日、発表された。これにより、アルツハイマー病の原因は伝染性病原菌なのか、という疑問が再び浮上した。
研究を行ったスペインのチームは、まだ決定的な証拠は得られていなものの、この問いの答えが「イエス」であることが判明すれば、アルツハイマー病は抗真菌療法による治療の対象となる可能性があると、英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表した研究論文で指摘している。
「アルツハイマー病が真菌性疾患である、または真菌感染がアルツハイマー病のリスク因子である可能性は、患者への効果的な治療に対する新たな展望を開くものだ」とチームは述べている。
研究者5人からなるチームは、分析対象としたアルツハイマー病患者11人の遺体の全てで、脳組織と脳血管に「数種類の真菌種」の細胞や関連物質を発見した。これらは、アルツハイマー病にかかっていない対照群にはみられなかった。
1か月前のネイチャー誌に掲載された別の研究結果では、アルツハイマー病の「種」が外科手術によって誤って患者から別の患者へと移植されてしまう危険性も指摘されていた。また、研究者の中には、アルツハイマー病が伝染病なのではないか、あるいは、少なくとも特定の細菌への感染が発症リスクを高めているのではないか、との説を唱える者もいた。
これまでの研究で、ウイルスや細菌に由来する遺伝物質がアルツハイマー病患者の脳内で発見されており、ヘルペスや肺炎を引き起こすウイルスが、アルツハイマー病の「病原体」である可能性が示唆されていたと、今回の論文は指摘している。
アルツハイマー病の「主病因」はこれまで、粘着性タンパク質の蓄積によって形成される脳の「アミロイド斑(プラーク)」とされてきたが、プラークを標的とする薬剤の試験は、期待はずれの結果に終わっている。
今回の研究結果は、アルツハイマー病の考えられる原因のリストに、新たな仮説を追加するものだ。
(略、続きはリンク先を参照してください)
http://www.afpbb.com/articles/-/3063366