2013.4.28 03:18 [産経抄]
 昨日の続きのような話だが、沖縄県の仲井真弘多知事は「主権回復の日」の式典を欠席するという。沖縄では「抗議集会」も開かれる予定だ。それだけ聞けば沖縄には反政府や反米の声だけが渦巻いているように思うが、どうもそうではないらしい。

 ▼本紙18日付のコラム「沖縄の風」によれば、米軍普天間飛行場の周囲のフェンスに巻き付けられた赤いテープを、市民たちが剥がしている。オスプレイ配備などに異議を唱える反対派が巻き付けたテープだ。米軍関係者も加わり毎週末行われるクリーン活動である。

 ▼景観を損なうからだけではない。テープの中にガラス片や針金が巻き込まれていることもあり、危険極まりないのだそうだ。一部かもしれないが、ほかにも米軍関係者の車をプラカードでたたくなどといった、反対派の過激な行動が頻繁に起きているという。

 ▼実はこのコラム、読者の方から大きな反響をいただいている。「基地とともに生きている人も多いとわかって胸打たれました」という50代女性の声があった。「基地反対派の声だけを伝える報道にはうんざり」という男性からは「貴重な記事だ」と評価してもらった。

 ▼それもそのはずである。基地反対派以外の市民の運動が伝えられることはまずない。反対派の過激な行動についてもほとんど報じられないからだ。「沖縄の風」によれば、飛行場の警備担当者が反対派の男性に殴られケガをしたが、そのことも一切報道されなかった。

 ▼昭和35年の日米安保改定をめぐっても、過激な反対運動に批判的だったり、改定に賛成だったりという人も少なくなかった。それでも当時の報道は耳を貸さず、声の大きな反対派ばかりを大々的に取り上げた。同じ過ちは繰り返したくない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130428/plc13042803190001-n1.htm



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