学歴・成績不問 グーグル、5つの採用基準
日経新聞 2014/05/06

私はもう何年も前から、有能な社員になる人材の潜在能力を判断するうえで学歴はあてにはならないと主張し続けてきた。だが誤解しないでほしい。私は学歴の取得が無意味だなどと考えているわけではない。ただ、正規の教育に対する社会の評価や通念がえてして正確ではないと考えているにすぎない。年齢も、経歴や職歴も、所属する社会集団も似通った2人の人間がいて、そのうち一方が大卒でもう一方がそうではない場合、世間では大卒者のほうが有能な社員になり、出世すると考えられている。

こうした通念に疑問をもっていた私は、数カ月前、ニューヨーク・タイムズに掲載されたトーマス・L・フリードマンの「どうすればグーグルに就職できるか」という記事をとても興味深く読んだ。フリードマンの記事は、ニューヨーク・タイムズのアダム・ブライアントが米グーグルで人材活用を担当する上席副社長ラズロ・ボックに対して行ったインタビュー記事を拡大したもので、この記事のなかでボックは、社員の採用にあたってグーグルが重視する人材の資質についてくわしく話している。

■大学の成績は参考にならない

 ボックは、「GPA(学業平均値)は採用基準としては無価値だし、テストの点数は意味がない…その人材の潜在能力を知るうえで何の参考にもならないことが分かった」とまで言い切っている。

 私の言いたいこともまさにこの通りだ。大学を優秀な成績で卒業しても、実社会で成功するこつが身につくわけではないし、大学の成績が悪いからといって実社会で成功できないとは限らない。さらにボックは、近年、グーグルに採用される社員のうち、大卒の資格を持たない人間が増えていると語り、採用候補の能力を評価する際、グーグルが用いている5つの採用基準を紹介している。私は、5つの採用基準だけではなく、その優先順位にも驚かされた。以下にボックの発言を私なりに理解したものを掲げ、求職中の人間にとってなぜこの基準が重要かを述べてみよう。

(以下は抜粋)

5.専門知識
技術分野の人間がコーディング能力(プログラミング言語によってソースコードをつくる能力)を身につけていることはもちろん確かめるが、それ以外の分野では、専門知識は5つの基準のうち、一番重要ではないと指摘した。
(詳細はリンク先を参照)

4.自発性
責任をもって問題を解決し、会社を前進させることができる、現状打破に情熱を燃やせる人材である。私は、自分の会社においても、すべての取引先においても、こうした人材の存在を重視している。
(詳細はリンク先を参照)

3.謙虚さ
責任をもって仕事に取り組もうとする熱意には、謙虚さが伴っていなければならないとも指摘する。それは、自分よりもすぐれたアイデアの持ち主の主張に耳を傾けたり、よりよい仕事のこつを学ぼうとしたりする率直さである。
(詳細はリンク先を参照)

2.リーダーシップ
自ら名乗り出てガイド役を務め、担当する仕事や役職名などにこだわることなく、人びとを導いて必要とされる結果を出すことのできる人材。
(詳細はリンク先を参照)

1.学ぶ力
純粋に学ぶ能力、新機軸を身につける能力、臨機応変に学ぶ能力、一見共通点のない情報のなかに一定のパターンを見つけ、次のステップに踏み出せる能力──これこそ、グーグルの採用担当マネージャーがたどり着いた、候補となる人材に求める最も重要な資質だとボックは指摘している。
(詳細はリンク先を参照)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK30033_Q4A430C1000000/

文化は違うとはいえ、必要な人材というのは洋の東西問わず変わらないようです。
日本では正社員の解雇が難しく、人を雇うこと自体がリスクになってる現状では、学歴や資格で判断するしか無いのかもしれませんが。