記事ソース
2014.7.14 03:05 [産経抄]
「ガラスの天井は破れなかったけれど、ひびは入った」。米国初の女性大統領を目指して、2008年の民主党予備選に臨んだ、ヒラリー・クリントン氏の敗戦の弁である。
▼ガラスの天井とは、女性の昇進を阻む、見えない障壁のことをいう。日本にも、もちろん存在する。それどころか、男女格差指数や国会議員の女性比率では、諸外国に比べて低位に甘んじてきた。天井ははるかに高く、ガラスの厚さも相当なものだ。
▼安倍晋三首相は、それにドリルを当てて、風穴を開けようとしている。社会の指導的地位に占める女性の割合を、平成32年までに3割以上とする。安倍政権が成長戦略の中核として、「女性活用」のために掲げた目標だ。実際、今月初めに発表された中央省庁幹部人事では、法務省と経済産業省で初の女性局長が誕生した。
▼さらに9月に予定される内閣改造と自民党役員人事でも、首相は女性議員の登用に前向きとされている。能力と意欲のある女性のために、活躍の場を広げる方針に異論はない。ただ、女性の社会進出そのものが目的となってしまえば、本末転倒だろう。
▼「ドイツ版・鉄の女」と呼ばれ、9年前にドイツ初の女性首相となったメルケル氏は、今や欧州の盟主の風格さえ漂っている。そのメルケル首相は、「政治の世界には『女性優先枠』は必要ない」と発言し、実力主義を貫いてきた。元祖「鉄の女」のサッチャー元英首相も、女権拡大運動には冷ややかだった。
▼ヒラリー氏といえば、2016年大統領選への出馬が取り沙汰されている。今度こそ、ガラスの天井を破ることができるだろうか。といっても、女性リーダーの誕生が、国民の幸福を約束するわけではない。韓国の例を見れば、明らかである。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140714/trd14071403050003-n1.htm
ガラスの天井
ガラスの天井(ガラスのてんじょう、glass ceiling)とは、資質又は成果にかかわらずマイノリティ及び女性の企業内での昇進を妨げる見えないが打ち破れない障壁である 。 当初は、女性のキャリアを阻む障壁のメタファーであったが、現在は男女を問わずマイノリティの地位向上を阻む壁としても用いられるようになった 。
Wikipediaより