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東京から生まれ故郷に戻ってきた山吹摩耶は、久々に高校時代の同級生たちと再会する。
世界の路面電車巡りに憧れる市電の運転士、練習中にケガをしたマラソンランナー、箱庭協会の会長になりたい男の妻、養魚試験場で働く研究員――彼らの夢や希望の実現のために、彼女は次々に「わたし、出すわ」と大金を差し出す。
どのように稼いだお金なのか、友人たちは勘ぐりながらもその大金を受け取ってしまう。
『間宮兄弟』『椿三十郎』など、コンスタントに話題作を発表し続ける森田芳光監督が、『(ハル)』以来約13年ぶりにオリジナル脚本を手掛けた本作。
突然帰郷したヒロインが、旧友たちの夢を実現させるために大金を差し出す姿を通し、お金の価値や使い方を問いかけるシリアスな人間ドラマ。
突然、昔の友人が自分のためにお金を出してくれると言ったら、果たして受け取るか? お金を通して描かれる人間の愚かさや悲しさが、きっと身につまされることだろう。
クールさと温かさを併せ持つヒロインを演じるのは、森田監督とは初タッグとなる小雪。旧友を演じる小池栄子や黒谷友香、小沢征悦など、共演陣も多彩で豪華な顔ぶれだ。(作品資料より)